長らく放置プレイ失礼しました(読んでいる人はほとんどいないけど)。これから,地球的視点と宇宙的時間感覚で本当に怖い災害について、私感を書きます。怖いというのは、生物が全て絶滅するとか、文明が崩壊するとかいったディストピアです。だから、毎年の台風や大雨は、実際に災害に遭った人たちには大変なことではありますが、ここでは取り上げません。
気候に関して言えば、止めどない温暖化は大変です。南極の氷が全部溶けると海水面が60m上がり、世界のほとんどの大都市は沈みます。いやいや、温暖化なんてデマだ嘘っぱちだとの主張も根強くありますね。自然の周期としてここ10万年以上、氷期と間氷期が繰り返しています。それで、人工的温暖化がなければ次の氷期に入りかけているという説があります。私は結構有力な説だと考えます。すると今は温暖化と自然の氷期が綱引きをしているわけです。わかりやすく図にしてみましょう。
この図は説明のために適当に作ったもので、実際の気温などのデータは反映していません。黄色い線は気温とします。赤い線は人工的温暖化による気温上昇分です。青い線は温暖化がないとした時にあるべき気温とします。寒くなったり少し暖かくなったりしながら氷期に入っていきますから、青い線は凸凹します。長い間の傾向を見るのに、温暖化なんて嫌だよという気分満載で線を引くと、青い直線を引いてやっぱり温暖化はないと自己暗示をかけちゃいます。率直に線を引くと(統計学で定義されている直線近似)赤い直線*1になりはっきり温暖化を示します。
幸い多くの気候学者などの努力により、温暖化がはっきり認識され対策を講じる合意が出来つつあります(まだ、「温暖化なんて嫌だから嘘であってほしい」という気分の人もいますが科学的に判断してほしいものです)。いずれ、温暖化ガスの排出が減少に転じ、何百年か後になるでしょうが人工的温暖化が無くなる日が来るでしょう。
さて、めでたく人工的温暖化がなくなると、自然の勢いとして氷期になる可能性大です。というか一万年くらいのスケールで見れば必ず氷期になるでしょう。その時どうするか。一酸化二窒素(N2O, 亜酸化窒素とも、麻酔に使われる笑気)のような温暖化ガスを作って放出し程よい温度を維持するか。これをやるときは副作用(温暖化が行き過ぎる、地域により降水量が大幅に変動するなど)が起きないよう、地球気候シミュレーションが極めて正確にできなければいけません。もう一つの対策は氷河に覆われる地域の人たちが地球的規模で移住することです。氷河が増えれば海水面が下がって居住可能地が増えるから原理的は可能。問題は各国のエゴですね。
長い目(数億年)で見ると、太陽がだんだん明るくなるので、温暖化は止めどなく進みます。十億年もすると地球全体が生物に不適になるほど暑くなります。そうなる前に火星や、小惑星、木星の衛星(イオは除く)に移住する。あるいは地球の軌道を外側にずらす*2。いっそ太陽系外の居住可能な惑星に移住する。など、対策はたくさんありますから、今から準備しておけば大丈夫でしょう。え、何を準備するって、それは太陽系内外の惑星の探査から始まりますね。
今回の結論、気候変動は温暖化と氷期が怖いけど、対策もある。